プラス思考は明るい未来を引き寄せるのか?

多元宇宙統合生命論

プラス思考は明るい未来を引き寄せるのか?

物事をプラス思考で捉えれば、良い未来が訪れる・・・
逆にマイナス思考で捉えてしまえば、好ましくない未来を呼んでしまう・・・

確かに、プラス思考の人は、運に恵まれ、
マイナス思考の人は、悪い運を引き寄せているように見えます。

思考の質を変えるだけで、人生が変わるのは、疑いようもない事実のように思えます。
実際に、前向きな思考で生きていて、素晴らしい人生を 切り開いている人もたくさんいると思います。

いわゆる 引き寄せの起こる理由を、
波動で説明する場合があります。
同じ波動の人が、自然に引き合うようになるという考え方です。

これを量子論を用いて解釈する場合もあります。
人間の思考や意識は、フォトンという素粒子として 伝わっているという理論です。

極端な解釈においては、
世界は二極化し、同じ波長の者どおしだけの世界に 分離していくという話を聞いたことがあります。
つまり違う波長の人は、同じ現実世界にいられなくなるということです。

何が正しくて、何が間違えているのでしょうか?
いわゆる引き寄せの理論は、科学的に証明されているものではありません。

だから、正解はわからないというのが、正解だと思います。
もちろん、正解がわからないものは意味がないと 切り捨ててしまうのは違うと思うので、少し考察してみましょう。

私が提唱している 仮説考察理論の 「多元宇宙統合生命論」では、人間の意思の力が、この世界を創っていると考えています。

そうであるならば、プラス思考は、良い未来を創るのではないか・・ということになりますが、
私個人の意見として、「部分観としては正しい」というところでしょうか。

私が言う「意思の力」とは、思考上のものではなく、
頭で理解している思考はもちろん、人が意識できない、無意識の心も含めた、
生命そのものから発する力を、「意思の力」と捉えています。

プラス思考の人は、前向きに考えているだけではないと思います。
希望の未来を信じて、または自分が未来を切り拓いていくんだという 強い「意志」を持ち、
「努力」という行動を起こしていると思います。

具体的な「行動」という原因があるから、明るい未来という結果が生まれるのでしょう。

言うまでもなく、マイナス思考の人は、「どうせダメだ」と自分で思い込んでしまうことで、
現実から 逃げてしまう傾向が出てきます。
だから努力する以前に、諦めてしまうから、よい結果が期待できる可能性すら、自ら放棄してしまうのでしょう。

このように、未来という「結果」には、必ず「原因」があります。

引き寄せの法則を否定する人は、
「災害などの不幸に遭う人は、後ろ向きの考えだったから悪いのか?」と指摘します。
もっともな意見であり、逆に言えば、プラス思考の人ですら、災害には巻き込まれます。病気にだってなります。

つまり、思考の質は、やはり部分観の問題であって、
間違えではないけど、全てではない・・・というところでしょうか。

ちなみに、人間の思考や想念が、フォトンのような素粒子だとするのは、そうかもしれないと捉えています。
素粒子ならば「波動」と捉えるのも間違えではありませんね。
今後の科学で解明されていくことを期待しています。

しかし「科学で証明されているから」と、引き寄せが 科学的に正しいものだと展開する話を、鵜呑みにするのはどうかなと。
これも「情報」を見極める難しさの一つの例ですね。

さて、人間の心は、「思考」という領域だけで捉えていくのは、不十分かと思います。
心理学の世界でも、様々な学派がありますが、
「思考」にフォーカスしたものも多いですね。

先ほどの災害や病気などのアクシデントの例でいえば、
過去からの 業なども 視野に入れないと、全てに説明がつきません。

災害の多い日本に生まれたのも、過去世に原因がある結果に過ぎず、
その捉え方によって、運として諦めるようなものではなく、
自分の生まれてきた目的のひとつと捉えて、深い意味を感じていくことができます。

そして、もう一つ注目すべき要素があります。

例えば、何か不慮のトラブル、予期せぬ不幸などの困難に直面したとします。
人によって程度の差はあるかもしれませんが、
誰でも突然のショックを受けたら、感情が大きく揺さぶられます。
まさに「地獄に突き落とされたかのような」絶望を体験するかもしれません。

いや、地の時代から風の時代への転換期である「今」の時は、
冥王星の「破壊と再生」のエネルギーが強く現れます。
つまり、自分のこれまでの価値観や、場合によっては人生が「破壊された」と感じるような出来事を体験する人も、
少なくないはずなのです。

ましてやそれが、過去世からの自分の 根源的な業が原因であったならば、
その本人にとっての「最大の弱点」とも言うべき試練に直面するかもしれません。

これは「程度の差」という問題ではないでしょう。
そもそも他者と比べるものではありません。
自分にとって一番痛い所に、痛い形での現実が起こるという意味だからです。

このような 地獄の精神状態に 陥ってしまった人に対して、
「前向きに頑張って」
「マイナス思考で考えていたら、もっと状況が悪くなるよ」
という類の言葉は、
希望や勇気を与える言葉ではなく、
「とどめを指す」言葉になってしまうかもしれません。

恐らく頭の中では、前向きにならないと、頑張らないとと思っていたとしても、
生命エネルギーを失っていて、もはやどうにもできない状態だからです。

これは、周りの人が、大切なことを見失っていると思います。
それは人間の生命には、常に変化している「生命の状態」があるということ。

この例で言えば、「地獄」の生命に陥ってしまった人に対し、
普通の状態の人にするようなアドバイスをしてしまったら、
無意味どころか、心を殺すことになりかねないということです。

現代の心理学といえども、自己啓発の理論も、万能ではありません。
なぜなら、「生命の状態」に踏み込んだ理論が、まだ生まれてないからです。

それでは次回から、この「生命の状態」をテーマに、心の考察を深めていきますね。