なぜ一人の想いが世界全体の未来を動かせるのか?

なぜ一人の想いが世界全体の未来を動かせるのか?

私たち人間の生命は、宇宙生命と同一です。
これは 宇宙生命に溶け込んでいるというイメージではなく、
宇宙生命そのものと 捉えた方が良いでしょう。

ここでいう宇宙生命とは、夜空に広がる大宇宙のことではなく、
目に見えない世界をも含んだ、「全ての世界」のことを指します。

この宇宙生命から、三次元の物質世界が 現れては消え、現れては消え を永遠に繰り返しているのが、
この世界の真実であると考えます。

さて、物質を構成する最小単位を 素粒子といいますが、
素粒子には、粒子と波の性質があることがわかっています。
素粒子は、私たちが意識を向けると、粒子として物質化するのですが、
意識を向けないと、波として、見えない世界に一体化しているのです。

ここで、素粒子のひとつ「電子」の性質を見てみましょう。

一番シンプルな 水素原子の場合、
原子核の周りを、一つの電子がグルグルまわっているように、学校では習いました。

でも実際は、電子は観測をしないと波のように消えていて、目に見えない状態になっています。
同じ軌道上をまわっているようなものでもありません。

そして光を当てるなど観測をすることで、波が一点に集まり、粒子として現れます。
ただ、現れる場所は特定できず、科学では「確率的」に現れると表現しています。

電子の場合、確率的に現れる場所を 図にしたら、原子核を中心とした 雲のようになるため、
「電子雲」と呼ばれています。

さらに最先端の科学の仮説では、目には見えない ゼロポイントフィールドと呼ばれる 「エネルギーの場」から、
素粒子が 粒子化したり、波のように空間に一体化していると考えられています。
さらには、一番エネルギーが高い場所に、素粒子が現れるともいわれているのです。

ここで一つ大きな疑問が生まれます。
素粒子のような ミクロの世界の法則が、人間や、周りの環境のような マクロの物質世界にも当てはまるのか?という疑問です。

この謎は、現代の科学では、まだ明確な答えは出ていません。
そして多くの人が、私たちの世界が、現れたり消えたりしているとはイメージできないことから、
ミクロの世界と マクロの世界には 別の法則があるのではないか、と考えたくなるのは当然だと思います。

しかし、素粒子の集まったものが物質である以上、同じ性質を持つと考える方が自然で、道理的なのも 間違えありません。
最先端の仮説でも、こうした見解で捉える傾向が強くなってきました。

それでは、イメージしてみましょう。

この世界は、ゼロポイントフィールドという 目には見えない エネルギーの場から現れているとします。
ゼロポイントフィールドの中には、数えきれないくらい無数の「世界の可能性」があるイメージです。
これが「多元宇宙」という概念です。

そして、この場から生まれる現実世界は、素粒子と同じく、「確率的」に現れると考えられます。

では、確率的とはどういう意味でしょうか?
まず、ランダムではないということです。そして確率が0のパターンもあるということです。

例えば、夜寝て朝起きたら、性別が変わっていたらいいなと思ったとします。
こんな願いは叶いませんね。

例えば、誰もが「死にたくない」とは願うはずです。
人類の歴史上、極端に強く不老不死を願った人もいたはずです。
でも、人は必ず死を迎えます。永遠に死なないという確率など無いことがわかりますね。

ほとんどの場合は、「確率の高い未来」に、自然に流されるかのように向かっていくに違いありません。
だから、人類の過去から現在に至るまで、「運命は決まっている」と感じてきた人が、圧倒的に多かったのだと思います。

それでも「自分で未来を変えた」という強い自覚、体験を持つ人もいないわけではありません。
おそらくは、強い意思を持ち、努力をし、自ら人生を切り拓いたのでしょう。
いわば「確率が低い未来」を選ぶことができたのかもしれません。

もちろん現実の物質世界が、人の数だけ生まれるわけではないと思います。
すべての人の、過去世からの宿業による因果関係や、
周りの人たちとの縁、人と人との繋がりが複雑に絡み合って、ひとつの現実世界を創っているのだと思います。

私共の提唱する 多元宇宙 統合生命論においては、
宇宙生命の中にある、無限の可能性の中から、ひとつの世界が物質化すると捉えます。
しかし、次の瞬間には、また宇宙生命に一体化し、
次の瞬間には、また現実世界に現れる、この永遠の繰り返しであると考えます。

まさに、五感では感じることのできない「心にも止まらぬ速さ」で、
宇宙生命への冥伏と、現実世界の顕在化を繰り返しながら、
連続した世界ではなく、断続的にリセットを繰り返し、この世界は更新され続けていると考察しています。

この考え方によると、
たった一人の人間の意思の力でも、強いエネルギーを生み出すはずです。
つまり、同じ世界に見える現実であっても、その高いエネルギーが生まれた「別の世界」を選んでいるはずなのです。

この時の世界は、なんとなく流れていく確率の高い未来とは、間違えなく違う世界のはずだと思います。

もちろん、多くの人の民意が大きく変わった時は、進む世界も大きく変わるに違いありません。
しかし、一人の人間が成長し、意思が強くなるだけでも、世界は確実に変わっているはずです。

私たち人間は、宇宙生命という広大な海の、「波」のような存在。
波は海そのものです。海の「働き」についた名前でしかありません。

私たちの生命は、宇宙生命に変化を与える「働き」です。
だから、一人の生命が、新しい「働き」を起こすだけでも、世界は変わっていくのです。

人間の「生命の偉大さ」を、感じることができませんか?