高次元の私、ハイヤーセルフと繋がるとは?
高次元の もう一人の私、ハイヤーセルフ。
ハイヤーセルフと繋がるとは、どういうことを言うのでしょうか?
本来ハイヤーセルフとは、全体である宇宙生命の中から、生まれた 個の生命 という概念に思われます。
しかし、本来は宇宙生命と 同一の生命である 人間が、あたかも宇宙生命から 分離独立した 別の生命体であると 認識してしまうように、
ハイヤーセルフもまた、全体から分離した、魂の人格のようなもの と捉えられていると思われます。
それだけではなく、現実世界を生きる「私」からも分離した、別の存在との認識が、
「高次元のもう一人の私」という言葉に、象徴されているようです。
もちろん、目に見えない世界のことなので、正解などわかるはずがありません。
でも、何をどのように信じるかによって、人生の生き方そのものに違いが生まれるのは事実でしょう。
さて人間の思考は、様々な情報、人によって決められたルールや常識、
こうであらねばという 価値観や、こうしなくてはという 義務感などが 複雑に絡み合っています。
これらのノイズを全て取り除けば、単純に「好き」「嫌い」という心が残るのではないかと思います。
だから思考を止め、心からの反応だけに意識を集中すれば、
自分の心が、好きか嫌いか、YESかNOなのかが、わかるようになるのではないでしょうか?
オーリングなども、これを、体の微妙な反応から判断する方法です。
オーリングは、誰でも簡単に実践できる方法として、知っている方も多いかと思います。
実際に、代替療法の分野では、方法こそ少し違っても、広く応用されている原理のようなものであり、
脳科学との関連性などの 科学的研究も進んでいるようです。
例えば、ある薬が、体に合うかどうかなどを調べるには、有効な手段だと考えられます。
漢方などの微妙な配合などに、活用されているケースもありますね。
しかし、なんでもかんでも、これで正解がわかるのかと言えば、疑問が残ります。
例えば、人間関係で 悩んでいる人がいたとします。
もし喧嘩をしている相手との関係をハイヤーセルフに尋ねても、
多くの場合は、その相手に対し、よくない反応が出るのではないかと想像します。
なぜなら、相手に怒りや憎しみを感じていたり、自分のやりたい目標の妨げとなっている場合など、
拒否的な反応が出ても 不思議ではないからです。
ここでハイヤーセルフからNOと言われたら、関係を絶ってしまうかもしれません。
でも、宇宙生命の視点から見た場合は、この悩みは、過去世からの共業に原因があることがわかっており、
二人がいよいよ成長し、業を乗り越え、次のステージに進む時が来たのだと、喜んでいるかもしれません。
同じ無意識の自分であっても、
「宇宙生命」に近い私と、「個」の意識が強い私では、感じることが正反対な場合があるはずです。
そもそも人間の心とは、単純なものではなく、
生命の状態によって、常に変化していくものだと思います。
悩みに直面し、苦しんでいる私は、まさに地獄のような生命状態に包まれているでしょう。
嬉しいことがあり、喜びや幸せを感じている私は、天にも昇るような状態になっているはずです。
西洋的に言えば、天使も悪魔も自分の心にいるはずです。
さらに言えば、自分の心の中には、様々な可能性を持った、様々なエネルギーの自分が存在し、
それら全てが「自分」なのだと思います。
こう捉えた時、現実の私と、魂の私がいるという、二元的な捉え方自体に疑問が生まれます。
実際に、自称 ハイヤーセルフと繋がっている人を、客観的に見て感じていたのは、
ハイヤーセルフといっても、自分が好きか嫌いかという、エゴに忠実になっているだけではないのか?
それを魂と繋がっていると思っているだけの人が多いのでは?と思う節がありました。
なぜなら、誰もがそんなに簡単に、全体である宇宙生命の私と、意識が繋がるものではないからです。
もちろん 純粋な 自分の心、好きとか嫌いという 無意識の感情を感じることは大切だと思います。
インナーチャイルド、無邪気な子供心を持つことは、自分の正直な心を知り、
宇宙生命からのメッセージを聞く、大切な要素だと思います。
ただし、大人になっても純粋な子供心を失わないことと、
大人になっても、子供のままでいることは、全く意味が違います。
ましてや、日常的にハイヤーセルフと対話し、ハイヤーセルフに従うだけの状態になると、
思考することを放棄して、エゴに生きているような状態になりかねません。
それでは、本能だけで生きている動物と変わらなくなってしまいます。
私たちが人間として生まれてきた意味は、宇宙生命に変化を促すことです。
あえて失敗もし、悩み苦しむことも体験しながら、
自分の頭で思考し、自分自身の答えを見つけていくこと。
もちろん、本当の自分の心に問いかけをしつつ、
自分が何を望み、何に喜びをいだくかなども、感じていきながら・・・
最終的には、自分の心の意思を、決意という「意志」に変え、行動に移していくのです。
こうして、現実の自分を主体者にするから、
時には失敗することがあっても、世界に変化を起こし、それが自分の成長にもつながります。
更には、全体の生命、すなわち世界の成長にもつながる鍵となるのだと思います。
真実に近づこうとすればするほど、個としてのエゴに生きていくことになる・・・
また別の機会で考察したいと思いますが、
真実に近づく努力をすればするほど、真実から遠ざかってしまうというのも、
すべての人間が抱えている、典型的な 人類の共業の ひとつのパターンです。
ハイヤーセルフが、本当に存在するか、存在したら、どのようなものなのか・・・
結論的には、真実はわかるわけがありません。
なぜなら、科学的に証明できるものではないからです。
本質は同じものに対しても、何をどのように信じるかという解釈や思想次第で、
人は進む道、生き方そのものが変わってくることを、イメージして頂けましたか?
もちろん生き方が違うと、未来という結果も大きく変わってくるでしょう。
答えのわからないものに、答えを出すのは、自分でしかありません。
何も考えずに、答えを出すよりは、
ものごとを客観的に考察することで、より正解に近づけるのではないでしょうか?