量子論・量子力学の位置付け
私たち人間や、私たちを取り巻く周りの世界・・・
私たちが現実世界と呼んでいる、この物質世界をつくっている、物質の最小単位を素粒子といいます。
人間には見ることができない、素粒子や光などの性質を科学的に探究したものが量子論です。
つまり量子論は、目に見えない世界を解明しようとしている 科学といえるでしょう。
今回の動画では、量子論で何がわかるのかという観点ではなく、
量子論を科学として捉えた場合の 位置付けを、一緒に考えてみましょう。
まず最初に、科学とは何か・・・
科学とは、ある目的に対し、観測や実験、理論的な分析などによって、結果を何度も確認することで、
事実や原理を証明することです。
だから、科学で証明されたことは、確かに正しいと言えるでしょう。
一方、哲学などの思想は、思考上で「こうではないか」と考えられたものであるため、科学的なアプローチとは大きく異なります。
よく占星術などは「科学的ではない」と否定する人がいたり、「いや 統計学だ」と反論する人もいます。
確かに、夜空の星と 人間の人生や社会との関連性という根拠が、科学的に解明されているわけではありません。
でも「この星が来たらこうなる」 ということが、数多い 実例により確認されている長い歴史があるので、統計学ではないと思いますが「統計学的」なものとしての信用はあると思います。
アインシュタインの相対性理論は、宇宙という、人の手に届かない世界までを解明した科学なので、観測や実験で確認した理論ではありません。ただし、数学の世界で成り立っている理論の為、十分に信用できる科学なのです。
量子論・量子力学も、人間の目に見える世界に対する理論ではありません。観測や実験で十分に確認できる世界を対象にしているわけではないということです。
ところで、量子論と量子力学の違いに、明確な定義は無さそうですが、
量子論は、目に見えない世界の真実を科学的なアプローチで解明しようとした理論であり、科学の域を超えて、哲学や思想にも大きな影響を与えています。
量子力学は、目に見えない粒子の性質を 物理的な理論体系を確立したもので、近代科学の発展に貢献しました。
ここで量子力学の成り立ちを、簡単な言葉で表現してみます。
物質の最小単位である素粒子には、粒子と 波という、一見矛盾する 両方の性質があることが、観測でわかりました。
そこで、この性質は「こうなるのではないか」という仮説の元、方程式を作ってみたところ、あらゆる事象が、この方程式に当てはまることがわかりました。
これを応用し、誕生したのが、例えばパソコンなどに使われる半導体であったり、インターネットなどの電波であったりするのです。
ここで、何がわかるのか・・・
量子力学といえども、原理が解明されたものではなく、あくまで 法則がわかったから 応用されているだけなのです。
今ではたくさんの新しい理論が誕生してきている量子論の分野においても、そのほとんどが仮説の理論であり、根拠が完全に証明されたものではありません。
もちろん素人では計り知れない数々の実験を通し「これは間違えないだろう」という段階までわかってきているものもあります。
そして仮説であるがゆえ、目に見えない世界のこと、私たちが一般的に スピリチュアルと呼んでいるものの多くが、量子論を元にすると、説明がついてしまうのです。
パラレルワールド、テレポート、タイムスリップ、高次元の世界・・・
輪廻転生、ワンネス・・・
だから最近は、スピリチュアルの業界で、量子論が多く語られています。
「量子論ではこう言っているから、これは科学的にも正しいんだよ?」というように・・・
ここは少しばかり注意が必要だと思っています。
改めて、量子論には、仮説の段階のものが多いということを、知っておくべきかと思います。
最先端量子論の仮説では、限りなく哲学や思想に近い、思考から生み出された理論が多いのも事実です。
目に見えない世界を追求しているのだから、当然といえば当然です。
もちろん仮説は大切で、仮説が生まれるから、真実に近づいていくはずです。これが科学の発展なのだと思います。
科学の定義においては、
科学的に証明されたものは正しいと言えますが、
科学的に「これは間違えだ」と証明できないものは、正しくないとも言えないのです。
現時点においては、数多くの量子論の仮説が、
正しいとも言えないけど、間違っているとも言えない、のだと理解しておきましょう。
これまでの話を前提に、
見えない世界を語るにあたり、「科学で証明されていますよ」という立場ではお話ししません。
また、他の考え方を「間違えてますよ」と否定するつもりもありません。
私たち素人には、科学的に証明ができるわけがないのですから。
私たちにできることは、今ある情報を元に、考察することです。
科学だから正しい、根拠がないから信用できない・・・どちらのスタンスでもなく、
科学や哲学、スピリチュアル的な見解・・・
そのどれが絶対的なのかでもなく、
アプローチの角度が違うだけと捉えた上で、
自分の中の答えを見つけていくことが、大切かと思います。
目に見えない世界は、確実にあります。むしろ目に見える世界の割合の方が少ないでしょう。
それだけは間違えないと思います。
だから、見えない世界を追求することは、人生を豊かにするためには必要なこと、との考えのもと、
これからも様々な角度からの 考察情報を提供していきます。