量子もつれの速さが解明☆現実世界誕生の謎に迫る
科学の世界は、私たちが想像している以上に、日々 進化発展しています。
最先端の量子力学では、量子テレポーテーションと呼ばれる仕組みが、次々に実験が成功され、注目されています。
つい数日前、世界で初めて、量子テレポーテーションの現象の元となる、「量子もつれ」の 時間の観測に成功したとのニュースがありました。
今回は、この内容をわかりやすく紹介すると共に、ここからイメージできる 世界の真実を考察してみましょう。
さて、テレポーテーションという名前がついていますが、私たちがイメージしているように、
ある量子が、離れた場所に「瞬間移動」するようなものではありません。
ミクロの量子の世界において、
「電子」などの素粒子は、波のように目に見えない状態になっています。
そして観測をした瞬間、粒子として現れます。つまり状態が確定したといってよいでしょう。
仮にこの素粒子を Aとしておきましょう。
この瞬間 ペアになっている、もう一方の 素粒子 Bが、離れた場所で状態が確定します。
この時、あたかも遠隔の地に、突如現れるように感じることから、
テレポーテーションと名付けられたそうです。
この量子テレポーテーションという働きは、
「量子もつれ」という性質がもとになっています。
量子もつれという関係を持った、電子や光子などのペアの素粒子は、
どんなに遠く離れた場所であっても、同時に現れ、一方の素粒子の動きに、もう片方が依存するという性質があります。
例えば電子や、物質を構成する素粒子のひとつ クォークなどは、自転するかのようにスピンすることがわかっています。
そして量子もつれの関係を持つ、ペアの一方が、上向きのスピンをしたら、
ペアのもう片方は、下向きのスピンになるという現象が確認されています。
こうした素粒子の仕組みは、実験レベルでいくつかの成功事例があり、
原理の正しさは、科学的に証明されているといってもよいでしょう。
この 量子もつれを応用した技術として 期待が持たれているのが、
通信技術であったり、量子コンピュータのような次世代テクノロジーです。
もし、これらの技術が確立されたら、リアルタイムの高品質の通信が可能になったり、
従来の電波を使った通信が抱える、電磁波による健康リスクの問題などが解消されるかもしれません。
医学的には、安心安全の、遠隔医療などに活用される日が来るかもしれません。高齢化の進む日本では、重要な課題の一つです。
もちろん現時点では、実用化に至るまでに、まだまだ幾つもの大きなハードルがあるようですが、
未来の技術革新に期待を持たれているのは、間違えないでしょう。
それでは、最近のニュースからわかったことを紹介しましょう。
実験の具体的な方法などは、科学者でもない私たちには理解し難い内容なので省略しますが、
国際的な研究チームが成功した実験において、
これまで「瞬間的」と思われていた、量子もつれの過程における時間が、
平均 約232アト秒であったと観測されました。
アト秒とは、100京分の1秒のこと。
よくここまで観測できたものだと驚きを隠せませんが、
やはり人間の感覚では、「瞬間」「同時」としか感じることができませんね。
ただ、全くの同時と、わずかでも同時でないことは、全然意味が違ってくるので、
これはものすごい成果だと思います。
私どもが提唱する仮説理論「多元宇宙 統合生命論」の正しさの証明に、一歩近づいたといえる内容だったので、ここから先は、哲学的な考察を交えて、考察してみたいと思います。
私たちのこの現実世界は、過去から現在に そして現在から未来へと続く、連続した時間軸の上にあると考えられています。
今の私があるのは、過去の私の結果。過去世からの業が、今の人生に影響をしているのは間違えなさそうです。
しかし、連続した時間が絶対的なものならば、過去につくった業は、それ相当の因果の報いを受けねばならず、輪廻の長い旅路を繰り返してきたとするならば、一回の人生くらいで、とても報いを受け切れるものではないと考えられます。
自分の人生を振り返ったり、世の中を見ていても、善業を積むより、圧倒的に 悪業を積み重ねている量の方が 多いとしか思えません。
つまり事実上「宿命は変えられない」と捉えるしかありません。
多元宇宙 統合生命論においては、現実世界と呼んでいる、私たちの生きている三次元の世界は、
宇宙生命から現れては還っていくという永年の繰り返しの世界観、
連続した世界ではなく、コマ送りのように断続した世界であると考えています。
宇宙生命の中に一体化した状態は、三次元ではなく、高い次元での法則が成り立つため、
科学でわかっている通り、時間という概念はなくなります。過去も現在も未来も、同時に存在する世界です。
つまり今が変われば、過去も未来も変わる世界といえます。
だから、コマ送りで新しく誕生した世界は、理論上、前の世界とは変わっていることになります。
今風の言い方をすれば、世界はどんどん書き換わっているのだと考えます。
こう捉えることで、初めて過去世からの業を、瞬間に変えてしまい、宿命が変えられる可能性が開かれます。
もちろん、これは簡単なことではなく、ほとんどの人は、まるで決まった運命に流されていくかのような人生を送ると思いますが、可能か可能でないかでは、全く違いますから。
宇宙生命の中では、今という一瞬の中に、過去・現在・未来が備わっていると解釈できますが、
現実の世界には時間軸があります。だからコマ送りのように更新されるはず。
それでは、どのくらいの時間で、変わっていくのでしょうか
映画のフィルムは、通常1秒間に24コマの速さで撮影されています。
これを見ても、連続して動いているようにしか感じることはできず、「目にも止まらぬ速さ」と表現します。
多元宇宙 統合生命論で考える、現実世界の更新の速さは、どのくらいなのでしょう。
もちろん量子レベルでの速さと考えていましたが、「瞬間瞬間」としか言いようがなく、
言葉にした場合は「心にも止まらぬ速さ」と例えていました。
そういう意味では、今回の研究結果が、ひとつのイメージになるかと思います。
もちろん全く同じくらいの速さになるとは限りませんが、
量子レベルの変化というものが、いかに人間の五感を はるかに超えているか、大きな参考になるかと思います。
量子もつれ とは、一度関係を持った素粒子と素粒子は、ずっとその関係が続き、
一つの素粒子の変化で、ペアの素粒子の動きも決まる性質です。
私たちの細胞も、無数の素粒子が、量子もつれで複雑に絡み合い、関係しあい、成り立っているものと考えられます。
この世界そのものも、原則は同じであるはずです。
生命の神秘に対する、科学的な探求も、私たちの想像以上に、進んでいくのかもしれませんね。