高次元の世界ってあるの?
人間は、目に見えない世界を想像するにあたり、
自分が認識できる「形」に置き換えて、理解しようとします。
これも大切なアプローチの仕方なのですが、
言葉を言葉どおりに受け取った場合、真実から離れてしまうということもよくありますね。
この世界には、人智の及ばない、大いなる力が確かにあります。
それを昔の人は「神」と名付けました。
そして神を、人間の姿に似た 生物のようにイメージし、
天使や悪魔、時には 動物の姿に似た神として捉えてきました。
近年「高次元の世界」という話しをよく聞きます。
私たちの住む世界とは別に、次元の異なる世界がある。
目には見えないだけで、まるで同じような世界が、他にもあるように、イメージし、表現されています。
高次元の世界には、神々や、宇宙人が住んでいるんだ・・・
ここには、もう一人の「私」 ハイヤーセルフが存在し、そこから三次元の「私」を見ているんだ・・・
人間は死んだら、肉体は消滅するけど、魂だけ別の世界にいき、同じレベルの 魂と共に存在していくんだ・・・
私たちの魂や、世界そのものが アセンション・次元上昇するという話もよく聞きますね。
魂が覚醒し、意識が高まることで、世界が変わっていくのだという、精神的な進化をうたうものから、
世界そのものの波動が変わり、別の次元に変わっていくというものまで、様々な解釈があります。
またライオンズゲートという宇宙と地球を繋ぐ 異次元の扉が開くことで、特別なエネルギーが降り注ぐという話も聞きます。
このゲートが開いた時に、スピリチュアル覚醒が起こると言われていたり、逆に、この流れに乗り遅れる人との 二極化が進むというように、優劣を語る人もいます。
ライオンズゲートが 開く時期は、占星術で見た場合、太陽が獅子座の真ん中にくる時期のこと。
様々な解釈があるので、一概になんとも言えないところがありますが、
本来の占星術には、よく言われているライオンズゲートの解釈があるわけではないと思います。
太陽が獅子座、ホロスコープの天頂に来ることから、生命のエネルギーは高まる時期のはず。
獅子座は「自己実現」の象徴。つまり自分自身が社会で輝けるエネルギーが高まる時と捉えられるので、
精神的、内的なスピリチュアル性の向上を目指すよりも、
自己を高めて、自分らしさを最大限に活かして、現実的にバリバリ行動していくのがベストな時期ではないのかと・・私は思うのですが・・・。
ちなみに、2024年のライオンズゲートのピーク 8月8日の昼は、月と 天王星・海王星・冥王星がカイトを組むので、この影響が、社会全体や個人にどう出るかは注目ですね。
人類全体の、過去世からのカルマを断ち切るチャンス・・・?
ここまではスピリチュアルの業界で言われていること。
ここからは科学的視点にも立って考えてみましょう。
さて、私たちは、三次元の世界を生きています。
0次元を点、1次元を直線、2次元を平面とすると、
3次元は 縦・横・高さのある空間です。
4次元を、そのまま平面の図に表すことはできませんが、なんとかイメージすることは可能です。
ウィキペディアの「4次元」を見ると、アニメーション図が出てきます。
これを見ると「外にあるものは内にある」「内にあるものは外にある」という意味が掴めると思います。
夜空に見える大宇宙は、私たちの心の中にある小宇宙かもしれませんね。
そうであるならば、夜空の天体の配置を見ることで、個人の性質などを読める 占星術が、理にかなっているような気がしてきます。
さて、超ひも理論によると、10次元・11次元まであるのではと考えられています。
超ひも理論は、素粒子を構成するのは「ひも」ではないかと考えた理論です。
「ひも」の振動の違いによって、様々な種類の素粒子が生まれていると考えられています。
4次元以上の振動を図に表すことはできませんが、
1次元ごとに分解して、隠れた振動を表現されています。
ここからが大切です。
次元は増えるごとに、小さく折りたたまれて、私たちには見えなくなっているということです。
もちろん、超ひも理論は証明されたものではありませんが、
科学の観点から見た「高次元」とは、原子よりも 遥かに小さな空間ではないかとされています。
高次元の世界といっても、私たちの 心の中にある世界 なのではないでしょうか?
高次元の世界は、私たちの目には見えません。五感で感じることもできません。
でも、私たちは「心」を感じることができます。
心は目には見えませんが、確かに在るとわかりますし、常に感じ続けています。
すなわち、私たちは日常から、高次元の世界を普通に生きているのだと思います。
しかし普段は感じることができない「心」があります。無意識の世界です。
より高い次元になればなるほど、無意識の深いところにあるのかもしれませんね?
とはいえ、無意識の世界を全く感じることができないわけではなく、様々な方法でアクセスは可能です。
つまり私たちは、どんな高い次元の世界でも、日頃からそこに生きていると言ってもよいのではないでしょうか?
現在の科学では、宇宙の構造は、この銀河系が集まった銀河団、銀河団が集まった 超銀河団といった広がりと捉えています。
釈迦の説いた宇宙観では、この超銀河団よりも遥かに大きな宇宙の広がりが、言葉で表現されています。
そして、この大宇宙全体は、私たち人間の心の中にあるとも説かれているのです。
私たちが大宇宙と呼んでいるのは、三次元で考えた空間の広がりです。
しかし高次元の世界から見た場合は、心の中にあるということになるのでしょう。
さらに言えば、最先端科学の多元宇宙論においても、仏教思想においても、
無限ともいえるたくさんの可能性の宇宙が存在すると言われています。
そして、これらの可能性の中から、この三次元の現実世界が現れているという点で、見解が合致しようとしているように思えます。
仏教で説く心の構造においては、
全体でひとつの生命である阿頼耶識の中から、末那識が生まれてくると説かれています。
末那識の役割は、本来は宇宙生命と同一の生命である「私」を忘れること。すなわち生命の真理を「誤認」することで、「私は私」「私は他とは違う」という心が芽生えること。
こうして「個」 の人間としての自我が芽生えるのでしょう。
つまり人間は、「私」と周りの「環境」は別なのだと捉えていることを意味します。
この地球という世界そのものを、自分の外にある「環境」と捉えます。
だから、「高次元の世界に行けたら、幸せになれるかも」と憧れてしまうのでしょうね。
高次元の世界を、「私」の外にある「別の世界」と「誤認」しているからだと思います。
実際に、スピリチュアル業界では、
表現は様々であっても、自分がいる世界とは「別の世界」を求める傾向が強いように見受けられます。
全ての人がそうだとは言いませんが、私の知っている限りでは、
目の前の現実の問題から目を背け、魂の世界なり、高次元の世界に夢を描く・・・
悩みや問題がある現実の中で「私自身が成長して変わっていこう」と自分自身に目を向けるよりも、
「別の世界に行けたら幸せになれる」と 錯覚を起こしてしまう人を たくさん見てきました。
目に見えない世界への間違えたアプローチは、正常な心を壊します。
それは人類の過去の歴史を学べば、いくらでも実例が出てくることです。
今も昔も本質は変わらないのだと、よくわかりますね。
自分の「外」にあるどこかの世界に、「幸福」という答えがあるのではなく、
すべては自分の「内」にあると知るところからだと思います。
高次元の世界といっても、どこか別の場所に存在するのではなく、
自分の心の中にある世界です。
私たちは、この三次元の地球に、何かの使命を持って生まれてきたはず。
この地球という大地で、幸せを感じるための ボーナスステージに巡り会えたようなもの。
この点を見失わずに、一生懸命「今」を楽しんでいけば、
同時に、高次元の世界をも生きているはずなのです。