ウェイト版タロット生命のストーリー

タロット-生命の物語

ウェイト版タロット生命のストーリー

タロットは無意識の心からのメッセージをキャッチするツール。
メッセージさえ掴めれば、「この絵柄でなくてはダメ」「この解釈でなければダメ」というものは無いはず。

タロット歴の長い人は、「このカードが出たら、こういう事がよく起こる」 という 体験が生きてきますが、
経験の少ない人など、誰もが明確に メッセージをキャッチできるわけではないと思います。

現代においては、ウェイト版タロット、またはウェイト版をモチーフにした オリジナルデッキを使うかたが多いと思われます。
解釈事例も豊富で、読みやすいからだと思います。

タロットは感覚でキャッチする方が好ましく、カードから受けた、その時の印象を大切にした方がいいでしょう。
でも、「今日はこの人、こんなこと言ってるな」「今日は、なんか機嫌が悪いみたい」と、同じカードから その日によって違う印象を受けられる人も、なかなかいないと思います^^;
だからほとんどの人が、やはり基本的なカードの意味を学んでいきますね。
とはいえ、意味があまりにも多すぎて、「覚えられない」となる人も少なくないでしょう。

ところが、本来のカードの意味や、解釈事例にこだわり過ぎると、大切なことを見失う気がします。

「タロットは怖い」と思っている方もいるはず。
そもそも人生は、良いことばかりでなく、悪いことも起こります。むしろ悩みや困難の連続かもしれませんね。
だから悪い意味のカードもよく出るし、「こうなるよ」と指摘されたら、怖いと感じるのも当然かもしれません。

さて、ウェイト版タロットは、19世紀初頭に生まれました。
ウェイト版は、伝統的なタロットをベースに、魔術結社「黄金の夜明け団」の教義や、西洋占星術などの解釈を取り入れて作られました。
この教義は、西洋から東洋まで、当時のあらゆる哲学思想の集大成であったようですが、基本のモチーフとなったのが、ユダヤ教の秘教である カバラでありました。

つまりカードに秘められた意味こそ、当時の最先端の思想であったのかもしれませんが、
表現として用いられ、絵柄のモチーフとなったものは、あくまで古い時代の西洋的な思想だということです。

その思想によると、私たちの世界は、神が創ったものであり、天使や悪魔といった 人を超えた存在に逆らうことはできません。
人間は 死を迎えた後に、神による審判を受け、そこで復活できるか、永遠の終わりを迎えるかのどちらかになるという思想ですね。

すなわち、「運命」は大いなる存在に握られており、人の力で変えられるようなものではありません。

このような思想観がモチーフになっている為、
カードの意味に忠実に読もうとすると、時として絶望的なリーディングになって 当たり前だと思います。

数ある解釈事例の中にも、「エゴを手放して」「大いなる存在に委ねなさい」という意味あいのものが多く、
聞こえこそいいかもしれませんが、
運命や未来は決まったものだから「あきらめなさい」と言われているのと変わりないですね。

だから悪い未来が示唆された時、「怖い」と感じるのが普通の反応なのだと思います。

経験の長い読み手の方は、過去の体験例から読めますし、言葉やアドバイスにも長けているでしょうが、
経験の浅いかたが、伝統的な解釈のまま読んでしまったら、タロットは怖いものになってしまうかもしれませんね。

さて、人間は、目に見えない世界を想像するにあたり、どうしても自分の「認識できる形」に置き換えて考えるものです。
だから昔の人々は、天使や悪魔など、目に見えない力を「擬人化」して捉えたと考えられます。

でも本来は、「外にある何か」なのではなく、あくまで自分の心の中にある「生命の働き」なのだと思います。

例えば悪魔!=デビルは、タロットの中でも、最も恐れられるカードのひとつです。
絵柄も怖いし、意味も怖い。そもそも「悪魔」というだけで、怖いと反応するはず。
その割には、比較的よく出るカードのように思えます。

心の中に悪魔がいる・・・
悪魔とは「自分ではどうしようもできない、自分以外の存在」として表現されたのだと思いますが、
悪魔もまた「自分の心の働き」でしかありません。

では、どんな「働き」なのでしょうか?
悪魔は、人間の心の中にある、究極の「負の心」の象徴と考えられます。
その働きは、「人を真実から遠ざけて、真実を見失わさせること。」
言葉にすれば、たったこれだけのことですが、この意味がイメージできますか?

悪魔は、人に直接ダメージを与える必要はないことをわかっているのでしょう。
心を迷わせ、真実から遠ざけてしまえば、後は勝手に不幸に転がり落ちていくということですね。

負の心に囚われている時は、生命のエネルギーもどんどん落ちていくのだと思います。

こうして正しい心の状態を見失っていたとしても、自分が何かに囚われていることに気が付きさえすれば・・・
真実が見え出して、正しい判断力が戻り、目の前の問題も解決する方向に動き出すのです。

だから、デビルのカードが出ることで、自分の生命の状態に気が付きさえすれば、
未来はすでに好転し始めているのだということがわかりますか?

タロットは、カードを引いた時から、未来を変えることができるのです。

さて、デビルは、タロットとの向き合い方を間違えている時にも、よく出ます。

例えば、自分で望むような答えが出ない時、何度も同じような質問を繰り返す場合・・・
質問者に「もうやめなさい」というメッセージで、デビルが出ることがあります。

また、読み手= リーディングする人のスタンスが間違っている場合にも、よく出ます。
例えば、読み手が自分の主観で解釈する場合。「この人は、こうなるに違いない」と、まるで呪いをかけるかのように、あたかも「自分の考えが正しいんだ」というスタンスで読むような場合は、読み手への警告としてデビルが出ることがあります。

タロットなど、無意識の心にアクセスするツールを扱う場合は、
読み手の主観を出さず、いかに客観的なスタンスで読むかが大切かと思います。
質問者が読み手を選ぶ基準としても、覚えておいてくださいね。

このどちらの例も、何か 間違えた心に囚われている時に、デビルが出ているとわかりますか?

こう考えていくと、デビルは決して怖いカードではないのです。
何かを間違えて、真実を見失っていることを教えてくれる、むしろ とても有難いカードですね。

今回は、デビルの例だけを紹介しましたが・・・

目の前に起きている現状が、自分の外にある「何か」に原因があるのか、
それとも、自分自身の心の状態に原因があるのか・・・

というように、ちょっとだけ見方を変えるだけで、カードからのメッセージが、全く変わってくるのです。

タロットを「決められた未来を読む」という目的ではなく、
自分の「今の生命状態を知ること」で、望む未来に対し、「今をどう変えていけば良いか」を探すという目的に変えるだけで、タロットに対するイメージが ガラっと変わるに違いありません。

このように、ウェスト版タロットの、絵柄の意味をそのまま捉えてしまったら、
恐らくは、大切なことを読み間違えると思います。

でも、昔ながらの言葉の「表現」にこだわらず、人間の生命の成長ストーリーとして捉えた時、
改めてウェスト版タロットに秘められた「生命の神秘」の素晴らしさが伝わってくるはずです。